【古事記】(原文・読み下し文・現代語訳)上巻・本文 その壱

古事記

序文に続いて、本文です。
本文(上巻かみつまき)では、天地が生まれ神々が次々と現れその子孫の話が続き、最後に初代天皇が生まれるところまでが書かれています。

なお、原文中の/上/は上声といい、四声の内の一つです。四声は、中華王朝から伝わったもので、文章を読み下す時の声の調子を指定したものです。(平―低平調)(上―高平調)(去―尻上しりあがり調)(平軽―尻下しりさがり調)の4つからなり、平安時代までは仮名にも使われましたが鎌倉時代以降使われなくなり、平と上のみ残り現在に至っています。この書では、感情を表す間投詞として使われています。

またこの記事では、上巻かみつまきの内容を以下のように分けました。

(※注)
原文には部はありません。こちらで分けたものです。各部をクリックすればその最初へと飛びます。但し令和2年4月7日現在天降あまくだりの部までです。

以下この記事の記述は、序文と同じように

原文  【但し書き】

読み下し文  【但し書き】

現代語文

の順となっています。

上巻かみつまき(本文)

古事記 : 国宝真福寺本

出典:古事記 : 国宝真福寺本. 上 – 国立国会図書館デジタルコレクション

天地初發あめつちはじめておこるの部

天地初發之時於高天原成神名天之御中主神 【訓高下天云阿麻下效此】 次高御產巢日神次神產巢日神此三柱神者並獨神成坐而隱身也

天地(あめつち)(はじ)めに(お)こりたる(の)高天原(たかあまはら)(おいて)神成りまし名は天之御中主(あめのみなかぬし)の神 【高の(しも)天を(よ)(あ)(ま)(しも)(こ)(なら)ふ】 次に高御産巣日(たかみむすび)の神次に神産巣日(かむむすび)の神(こ)三柱(みはしら)の神(は)並びて(ひと)り神と成り(ま)して(しかるに)身を隠す(なり)

天地が初めて起こった時のことです。

高天原たかあまはらという場所に神が現れました。

名は天之御中主あまのみなかぬしの神といいます。

次に高御産巣日たかみむすびの神、次に神産巣日かむむすびの神が現れました。

これら三柱みはしらの神はそろって性別のないひとり神で、そのまま姿を隠しました。

次國稚如浮脂而久羅下那州多陀用幣流之時 【流字以上十字以音】 如葦牙因萌騰之物而成神名宇摩志阿斯訶備比古遲神 【此神名以音】 次天之常立神 【訓常云登許訓立云多知】 此二柱神亦獨神成坐而隱身也上件五柱神者別天神

次に国(わか)浮脂(うきあぶら)(ごと)くして(しかるに)(く)(ら)(げ)(な)(す)(た)(だ)(よ)(へ)(る)(の)時 【流の(もじ)以上(かみつかた)十字(とをもじ)(こえ)(も)ちてす】 葦牙(あしかび)(ごと)(も)(あ)がる(の)物に(よ)りて神成りまし名は宇摩志阿斯訶備比古遅(うましあしかびひこぢ)の神 【(こ)の神の名(こえ)(も)ちてす】 次に天之常立(あまのとこたち)の神 【常を(よ)(と)(こ)と云ふ立を(よ)(た)(ち)と云ふ】 (こ)二柱(ふたはしら)の神(また)(ひと)り神成り(ま)(すなは)ち身を隠しませり(なり)(かみ)(くだり)五柱(いつはしら)の神(は)別天神(わけあまつかみ)なり

その次に、まだ大地はできたばかりで浮くあぶらのように、またくらげのように漂っていたとき、あしの芽が芽吹いて来るように、物に命を吹き込む神が現れました。

名は宇摩志阿斯訶備比古遅うましあしかびひこちの神といいます。

次に天上界が常にあるようにと現れたのが天之常立あまのとこたちの神でした。

これら二柱ふたはしらの神もそろって性別のないひとり神で、そのまま姿を隠しました。

これまでの五柱いつはしら神は、あまつ神(天上界でも特別な神)といいます。

Posted by まれびと